第二回 国道229号 狩場トンネル・兜岩トンネル旧道部分
※初回をご覧でない方は、是非第一回をご覧ください。
茂津多岬から北側には、7本のトンネルを連ねて、切り立った海沿いを通っていたが、
今では新たに狩場トンネル・兜岩トンネル・白糸トンネルの3本で地中へ迂回している。
1997年、豊浜トンネルでの崩落事故の翌年のことだった。
7本が1本、白糸第2トンネルで崩落事故が起きた。
白糸第2トンネルは南側が巻き立てられていて、160mに渡ってロックシェッドをトンネル化したような構造になっていた。
その部分に豊浜の2倍の量の土砂が崩れ落ちた。
コンクリートの巻き立てなど、無いに等しく、トンネルをたやすく押し潰した。
幸いにして、往来はなく被害は出なかった。
その後、復旧として、9か月後に新たな白糸トンネルが作られると、あわせて他の2本も作られた。
豊浜トンネルでの事故から、わずか18ヶ月後のことである。
地元の人はどれだけの恐怖に煽られたのだろうか。
この国道229号以外に道路はない。
いつ崩れるかわからない道に頼るしかないのだ。
もし被害が出なくとも、通行に支障が出れば、途方もない迂回を強いられる。
この道沿いに住む人にとって、余りに脆い生命線だった。

バリケードで雑に塞がれたのは、狩場トンネル旧道の北側である。
見えている坑門のデザインは、標準的なデザインとして、この地で多用されたものだ。
どこのトンネルも、塞がれた上で扁額も失われている。
●八峰トンネル65m

引き潮の時ならば、海岸を歩いて先ほどトンネルを迂回することができ、
塞がれたトンネルの間に立つことができる。
岩から突き出た塞がれた坑門は、景色に溶け込むことができていない。
誰がどう見たって、この光景はおかしいのだ。
センターラインの先、コンクリートのオブジェ。
とても小さく、模型のように見えるが、崖の高さが尋常ではないせいだ。
画像左端で300m以上の高さがある。

国道の喧噪も聞こえない、この静かな場所は、鳥の憩いの場になっていた。
他にこんなところへ訪れるのは、物好きくらいだろう。

少し近づいてみても、この坑門の「浮き方」には畏怖の念を抱く。
海から5mのコンクリートの壁をよじ登って、右を向いて目に入ったこの光景。
第一印象は「…!?」でしかなかった。
●第2タコジリトンネル 386m

振り返っても、最初に見た塞がれたトンネルの反対側が見えるだけだ。
ここは閉鎖された空間なのだ。

戻って、最初の場所からから兜岩トンネル方面を望んだ景色。
旧道は、現道に削り取られながらも、その姿を遺していた。

覆道の先は、この道の終わりに作られた壁だ。
●赤岩覆道 130m
●ツブダラケトンネル 153m

比較的大きい新トンネルさえも小さく見せるほど、大スケールの自然に食らいついた道。
いくら落石防止ネットをかけたところで、おそらく意味を成さない。

いずれこの場所も、あの巨石によって押し潰される時が来るのだろう。
常に死神が首に鎌をかけている。
私にはそう見えた。
2013/7/28
Nikon D3 24-70mm f/2.8G
Nikon D3 Tamron 70-200mm f/2.8
茂津多岬から北側には、7本のトンネルを連ねて、切り立った海沿いを通っていたが、
今では新たに狩場トンネル・兜岩トンネル・白糸トンネルの3本で地中へ迂回している。
1997年、豊浜トンネルでの崩落事故の翌年のことだった。
7本が1本、白糸第2トンネルで崩落事故が起きた。
白糸第2トンネルは南側が巻き立てられていて、160mに渡ってロックシェッドをトンネル化したような構造になっていた。
その部分に豊浜の2倍の量の土砂が崩れ落ちた。
コンクリートの巻き立てなど、無いに等しく、トンネルをたやすく押し潰した。
幸いにして、往来はなく被害は出なかった。
その後、復旧として、9か月後に新たな白糸トンネルが作られると、あわせて他の2本も作られた。
豊浜トンネルでの事故から、わずか18ヶ月後のことである。
地元の人はどれだけの恐怖に煽られたのだろうか。
この国道229号以外に道路はない。
いつ崩れるかわからない道に頼るしかないのだ。
もし被害が出なくとも、通行に支障が出れば、途方もない迂回を強いられる。
この道沿いに住む人にとって、余りに脆い生命線だった。

バリケードで雑に塞がれたのは、狩場トンネル旧道の北側である。
見えている坑門のデザインは、標準的なデザインとして、この地で多用されたものだ。
どこのトンネルも、塞がれた上で扁額も失われている。
●八峰トンネル65m

引き潮の時ならば、海岸を歩いて先ほどトンネルを迂回することができ、
塞がれたトンネルの間に立つことができる。
岩から突き出た塞がれた坑門は、景色に溶け込むことができていない。
誰がどう見たって、この光景はおかしいのだ。
センターラインの先、コンクリートのオブジェ。
とても小さく、模型のように見えるが、崖の高さが尋常ではないせいだ。
画像左端で300m以上の高さがある。

国道の喧噪も聞こえない、この静かな場所は、鳥の憩いの場になっていた。
他にこんなところへ訪れるのは、物好きくらいだろう。

少し近づいてみても、この坑門の「浮き方」には畏怖の念を抱く。
海から5mのコンクリートの壁をよじ登って、右を向いて目に入ったこの光景。
第一印象は「…!?」でしかなかった。
●第2タコジリトンネル 386m

振り返っても、最初に見た塞がれたトンネルの反対側が見えるだけだ。
ここは閉鎖された空間なのだ。

戻って、最初の場所からから兜岩トンネル方面を望んだ景色。
旧道は、現道に削り取られながらも、その姿を遺していた。

覆道の先は、この道の終わりに作られた壁だ。
●赤岩覆道 130m
●ツブダラケトンネル 153m

比較的大きい新トンネルさえも小さく見せるほど、大スケールの自然に食らいついた道。
いくら落石防止ネットをかけたところで、おそらく意味を成さない。

いずれこの場所も、あの巨石によって押し潰される時が来るのだろう。
常に死神が首に鎌をかけている。
私にはそう見えた。
2013/7/28
Nikon D3 24-70mm f/2.8G
Nikon D3 Tamron 70-200mm f/2.8

